Walking Pictures

「映画をもっと面白く」をスローガンに古今東西の映画について語ります

【感想】「カーズ/クロスロード」は宮崎駿に1000回見せたい傑作映画だったぞ

どうも、もゆるです。「マイティー・ソー バトルロイヤル」の予告で移民の歌が流れて映画館で叫びかけました。

昨日の「銀魂」に引き続き今日は「カーズ/クロスロード」をチェックして参りました。ネタバレ無感想とネタバレ有感想に分けてレビューをお送りします。

目次

カーズ/クロスロード オリジナル・サウンドトラック

あらすじ

「期待の新人、ライトニング・マックィーン」。彼がそう呼ばれた時代は既に遥か昔だった。

最先端の設備でトレーニングを積んだ高性能レーシングカーの登場によりマックィーンは窮地に立たされていた。

「ダメだマックィーン! 追いつけない! 追いつけない! どんどん抜かされていく!」

サーキット中に響く実況の声。マックィーンは負けじとアクセルを踏むものの、クラッシュし後続車を巻き込む大事故を起こしてしまう。

事故から復帰したマックィーンは心機一転トレーニングを始めるが新しくついたトレーナーとは馬が合わず、年のせいか走りは速くなるどころか遅くなっていくばかり。

ライトニング・マックィーン、復活なるか……

ネタバレ無レビュー

なんだこの映画は。

まるで「ロッキー」の2~5を映画一本の中に凝縮したかのような作品じゃないか。熱い、熱すぎる。目からオイル漏れが止まらなかった。劇場で隣に座っていたヤンママとビッグダディ+その子供たちがやたらうるさかったけども、全く気にせずボロボロ泣いてしまった。

何を隠そう僕は「ロッキー」シリーズが大好きです。いや、主人公が目的のために必死に努力する映画が大好物なんです(「リトル・ダンサー」とか、「セッション」とか)。それは僕自身が極端なまでの怠け者で「頑張る」のが苦手だからに他なりません。自分が努力できないから、他人の努力がもの凄く美しい行為に見えるんです。だから僕は「ロッキー」で泣くんです。

加齢のため(といっても車なので見た目上は同じ)遅くなったマックィーンが、テクノロジーの集合体のような新人に無残に破れ、リベンジを誓う。しかしいくらマックィーンと言えども年には勝てず、鍛えても鍛えてもタイムは縮まない。

この映画は中年の危機についての映画です。この映画でマックイーンが戦っている本当の相手は次世代機ジャクソン・ストームではなく、老化です。メインターゲットは子供なのに、ピクサーさんやってくれるじゃないですか。

ネタバレ有感想

 ※ここからは映画の核心部分に触れる文章があります。ご注意ください。

宮崎駿が泣いている。

僕の心の中の宮崎駿が泣いている。きっと本物の宮さんも泣いたんじゃないでしょうか。

クライマックスのレースシーンで、マックィーンはそれまで自身のトレーナーを勤めていたクルーズ・ラミレスを代走に出します。クルーズは元レーサー志望のトレーナーで、未だにレースに出場するのが夢だったのです。

トレーナーとしてマックィーンの厳しい修行に付き合ってきたクルーズの走りはプロレーサー顔負け、先行車を次々とゴボウ抜きにしていって、彼女は最後には1位のトロフィーを掴み取ります。

「能力の限界を自覚したマックイーンが現役を退き、若いクルーズのコーチになる」という結末は非常に象徴的と言えます。

「カーズ」1と2を監督したジョン・ラセターが退き、新人であるブライアン・フィーが本作のメガホンを取った事実とこの映画のストーリーは被ってる部分があるんですね。

ピクサーはできる新人にはどんどん大仕事をやらせます。宮崎駿が引退詐欺を繰り返し、後継者の育成にほとんど手をつけないのとは正反対です。

シリーズ第一作「カーズ」を見て宮さんは泣いたらしいけれど、なら「カーズ/クロスロード」を見た宮さんは何を思うのでしょうか。気になって仕方ありません。

この映画はジョン・ラセターが敬愛する宮崎駿へ送った、ある種のメッセージなのかもしれません。実際インタビューでラセターはこうも語っています。

「『カーズ/クロスロード』は、マックィーンがキャリアの後半で何をすべきかを考えようとする内容なんだ。彼はまさに人生の岐路に立たされているんだよ。宮崎さんは新しい映画を今作っていて、わたしたちはみんなそのことにすごく興奮している。きっと彼にはまだ伝えたい話がいっぱいあるんだって。マックィーンのように彼も走り続けるだろうね」

ジョン・ラセターから友人・宮崎駿へ「次に引退会見しても誰も来ないよ!」 - シネマトゥデイ

 "マックィーンのように彼も走り続けるだろうね"の部分に微妙な含みを感じたのは僕だけでしょうか。確かにマックィーンは完全引退するとは言っていませんでしたが、今後レースで活躍するのは明らかにクルーズで、マックィーンはサポートに回るって終わり方だったじゃないですか。

宮崎駿を「カーズ」世界の車に例えると「もういい年で体の調子が悪いのに全力で走って次世代機ブッコ抜いて勝ちまくり」って感じでしょうか。今回のマックイーンとは真逆の方向性ですよ。

そして逆に「現役を続けながらも後進の育成を欠かさない」という意味では、押井守ってかなり本作のマックィーンと近いのかもしれません……。

そんなこんなで「カーズ」を語ってるのか、日本のアニメ監督を語っているのか、といった文章になってしまいましたが、この辺にしておきましょう。

まとめ

個人的にはシリーズ最高傑作だった「カーズ/クロスロード」、これから見に行かれる方には是非4DXをオススメします。乗り物の出てくる映画は4DXとスゴク相性がいいので。風を切りながらサーキットを走る爽快感を楽しんでみてください。

ジョン・ラセラーありがとう。ブライアン・フィーありがとう。

そして、ありがとう、ライトニング・マックィーン!

 

以上もゆるでした。