神山監督の著書から読み解く「ひるね姫」、ネタバレなしレビュー&感想
何を隠そう私をアニメ、ひいては映画を筆頭とした映像コンテンツにのめり込ませるきっかけとなったのは「攻殻機動隊S.A.C.」でした。
士郎正宗の原作版と押井映画版の二作を踏まえて作られた新たな攻殻は前者二作に比べ飲み込みやすく、それでいて現代社会を風刺していた画期的なテレビシリーズでした。
その「攻殻機動隊S.A.C.」の神山健治監督が手がけた初劇場オリジナル長編アニメ「ひるね姫~知らないワタシの物語~」の公開が3/18より始まりました。
そして本作の公開と同時期に、神山監督の著書『映画は撮ったことがない ディレクターズカット版』(過去の著作の新書版)も発売されています。当書では神山監督の映画論が語られており、この本に記されている神山監督の映画作りのハウツーは「ひるね姫」でも適応されています。
そこで、この記事では『神山健治 映画は撮ったことがない』の内容を踏まえ、「ひるね姫」がいかに名作かということをネタバレ無しでまとめます!
(ちょっとだけ本編に言及するので気になる方は注意!)
目次
- あらすじ
- 疑問と答えの連続
- 「普通」の主人公の物語
- 誤解による展開
- 欠落の獲得
- まとめ
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【虚淵ゴジラ】なぜ劇場版アニメはやたらと3部作にしたがるのか?
先日、虚淵玄がストーリー原案・脚本を手掛ける劇場アニメ版「GODZILLA」が3部作として制作されるとが発表されました。
それを見て思ったのですが、最近の劇場アニメ、3部作多すぎません?
「GODZILLA」
「魔法使いの嫁」
「傷物語」
「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」
「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」
他にもTVで放送予定のアニメを劇場で先行上映するという形式のものもあるため、3部作のアニメ映画はまだまだ存在します。
ひとつの物語を前編・中編・後編のように分けて制作する手法は、実写映画でもないことはありませんが、あまり見かけられません(漫画原作の実写映画は分けても前後編)。
流行するアニメ映画の3部作化には何か理由があるに違いありません。この記事では私の独断と偏見で、その理由について考察してみたいと思います。
目次
- TVアニメと映画のストーリーテリングの差
- 作品のブームを持続させる
- 一作完結に比べ、一作あたりの製作期間が短い
- 狭く太い顧客モデル
- まとめ
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「パッセンジャー」、巷で噂の宇宙タイタニックをレビュー
「パッセンジャー」、早速見てきました。別に寝不足だったわけでもないのに前半少しウトウトしてしまいました。この壮大なスペースメロドラマ、またの名をスペース「タイタニック」を、ネタバレ無しでご紹介します。
広大な宇宙で孤独に生きる映画といえば、マット・デイモンが火星でDASH島をやってた「オデッセイ」が思い出されます。「オデッセイ」は自分vs自然(宇宙空間)という対立軸があったわけですが、これから当記事で紹介する「パッセンジャー」は自分vsテクノロジーという側面が垣間見られる映画です。
目次
- あらすじ
- Staff&Cast
- 努力の跡は見られるが、それでも退屈な前半
- 「オデッセイ」との相違点
- 機械は融通が効かない!
- 壮大なテーマ性あり?
- まとめ
「キングコング 髑髏島の巨神」前に復習しておきたい「地獄の黙示録」
いよいよ今週末に公開を控えた「キングコング 髑髏島の巨神」。ゴジラと肩を並べる怪獣界の大物スター、キングコングは日本人にはやや馴染みの薄い部分もあるでしょう。しかし今後立て続けに公開されるレジェンダリーモンスターバースがある以上、「髑髏島の巨神」を見ない手はありません。
そこで当記事は、「髑髏島の巨神」をより理解するための予備知識として、「髑髏島の巨神」がオマージュを捧げた「地獄の黙示録」についての解説を行います。
もちろん時間がある方は「地獄の黙示録」を見返していてもいいのですが、「地獄の黙示録」は特別完全版では3時間20分ほどある長尺映画で、映画としてのクオリティこそ高いものの、後半はかなりダレてきて見るのが辛くなる映画でもあります。
3時間越えの「地獄の黙示録」を見る気力、時間の無い方はぜひこの記事で内容をおさらいしてください。
激シブの境地
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続きを読む【トレンドブログからの脱出】ワンテーマ特化型ブログのススメ
どうも、ご無沙汰してます。もゆるです。忙しくて数日間ブログをお休みしていましたが、復活です。今後の更新頻度については、週4~5回程度を維持できればなと考えています。更新頻度は若干下がりますが、熱量は上げていきますので、今後ともどうぞ“ほぼ”デイリーシネマをよろしくお願いします。
さて、本題に移りましょう。
私のブログは今年1月頭に開設され、当初はさまざまなエンタメコンテンツや時事問題について幅広く語るトレンドブログとして運営されていました(ちなみに第一回の記事は映画)。
しかし、トレンドブログというのは何でも書けるからこそ何を書けばいいのかが不明瞭です。結果私は数日でネタ切れに追い込まれ、あやうくブログを3日坊主同然で終わらせるところでした。
私のトレンドブログが「ネタが無いから終了」とならなかったのは、ひとえに映画という一つのテーマに絞った特化型ブログに舵を切ったからです。ブログの方針変更当時は、私自身「映画だけでブログ書いてたらすぐネタ切れになるんじゃない?」と危惧していたのですが、蓋を開けてみればワンテーマ特化型ブログは、とにかくネタが見つけやすいや、書きやすいやでいいことづくめ。
はてなブログではトレンドブログを運営されている方も数多くいらっしゃるでしょうが、この記事ではそんな方々、これからブログを始めたいという方に向けて、私が気づいた特化型ブログのメリットをまとめます。
※この記事における定義
トレンドブログ→流行の話題について書く、浅く広いタイプのブログ
特化型ブログ→何か一つのジャンルに絞り書く、深く狭いタイプのブログ
目次
- メリットその1.「書くネタを決めやすい」
- メリットその2.「専門知識がつく」
- メリット3.「趣味の延長だからこそ楽しい!」
- まとめ