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吹き替えで見たい、いや聴きたい!映画3選

あなたは字幕派?吹き替え派?

字幕か、吹き替えか、洋画を見るとき私たちは常にこの二択を突きつけられます。
まずは原型に近いバージョンを見たいので、私自身は基本的に初見の映画は字幕で見るようにしています。
しかし、そんな私にも「この映画を見るときは必ず吹き替え」という作品があります。
この記事では私がドハマりしてBGVにしている、吹き替えがサイコーの映画3つを紹介します(ちなみに全作品現在Netflixで鑑賞可能!)。

※吹き替えはDVDのバージョンなどにより異なる場合がありますが、今回の記事ではNetflixで配信されている吹き替え版を参照しました。

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私が映画をケナさない4つの理由

さて、いまさらながら菊地成孔さんのラ・ラ・ランド評を拝読しました(長文だったのでななめ読みではありますが)。

菊地さんの評論は辛口ながらも的を得ていますし、褒めるべきところは褒めています。そして何よりジャズの専門知識を生かした楽曲についての言及は、菊地さんならではの語り口で、記事としてとてもバリューの高いものでした。

ただ、やはり気になったのは厳しすぎる意見。

私は映画のレビューを書く際、意識して肯定的な意見を書くようにしています。しかしこれは「つまらない映画を嘘をついておもしろい映画だと書いている」のとはワケが違います。

この記事では何故私が映画を貶さず褒めるのか、その理由を書いていきます。

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  • 理由1.そもそも自分が楽しめなさそうな映画は見ない
  • 理由2.映画の面白さは見る側の視点次第で変わる
  • 理由3.製作者と映画業界への配慮とリスペクト
  • 理由4.映画のお仕事が欲しい
  • まとめ
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【ネタバレあり】「哭声 コクソン」のテーマは「信じる」こと?

「コクソン」は非常に難解な映画で、正解と言える解釈がない映画です。そしてこの記事で述べるのはあくまで私の見方で分析された「コクソン」です。

しかし、私の解釈が読者のみなさんが自分なりの映画の読み方を持つ手がかりになれば幸いです。

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  • 大前提…「コクソン」は観客を「惑わせる」映画である
  • 筆者が読み取った「信じる」というテーマ
  • 謎の男はキリストか悪魔か?
  • ムミョンはなぜ主人公を殺さなかったか
  • まとめ
    • さいごに
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【ネタバレなし】「哭声 コクソン」監督の前作「哀しき獣」のレビュー

孤独な男のやるせない逃走劇

この前韓国人の友人と映画(ドクターストレンジ)を見に行ったんですが、エンドロールが始まってすぐ感想を私に話し始めて、ちょっとヒヤッとしました。別に私自身はエンドロールはそこまで集中して見る派ではありませんが、周りの人もいましたから。

どうも韓国ではエンドロールが始まると帰る人がほとんどだとか。文化の違いですね。

さて、与太話はほどほどにして本題に行きましょう。ナ・ホンジン監督の「チェイサー」「コクソン」と続けて書いたからには、今回紹介するのは「哀しき獣」しかありません。

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  • 孤独な男のやるせない逃走劇
    • あらすじ
    •  キャスト
    • こんな映画だ「哀しき獣」
    • 難解なストーリー
    • やはり無能な警察
    • まとめと感想
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【ネタバレなし】「哭声 コクソン」鑑賞の補助線とレビュー

見る者を渾沌へと誘う新感覚映画

みなさんは韓国映画にどのようなイメージを抱きますか?

比較的映画を見る習慣のある方でも、韓国映画をよく見るという方は少数派だと思います。

映画雑誌のカラーページは大抵ハリウッド作品か邦画が占領し、韓国の作品はいつもモノクロページに押しやられています。

ですが、それは韓国映画のクオリティがハリウッドに比べて低いということを意味しません。

理由ですか? 理由は韓国映画を見ればわかります。

今回紹介するのは「哭声 コクソン」

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  • 見る者を渾沌へと誘う新感覚映画
    • あらすじ
    • 概要
    • だいたいどんな映画なの?
    • 映画前半のコメディ+ホラー感
    • 後半からの物語の加速、そして混乱へ
    • まとめと感想


映画「哭声/コクソン」特別映像

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【レビュー】「哭声/コクソン」の監督のデビュー作「チェイサー」を語る

昨年夏、韓国で大ヒットした映画「哭声/コクソン」が、3.11より日本でも公開されます。

カンヌ国際映画祭でも「近年の韓国映画ベスト」と言わしめた「コクソン」、監督はナ・ホンジンという方で、これまでに長編映画を二作撮っています(なんと二作とも大当たり、撮れば当たるデイミアン・チャゼルタイプの監督ですね)。

この記事では「コクソン」の公開を前にして、ナ・ホンジン監督の初監督長編映画「チェイサー」をレビューしたいと思います。

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  • あらすじ
  • 「チェイサー」について
  • 映画開始30分で捕まる犯人
  • 本物の悪人は捕まえてからも怖い
  • 「ダーティーハリー」と「チェイサー」
  • 主人公は正義の存在ではない
  • 感想とまとめ

チェイサー(字幕版)

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アメリカとハリウッドを風刺し続ける者バーホーベンと「トータル・リコール(1990)」について

ポール・バーホーベンディストピアSF

映画史上最も偉大な監督は誰か?という質問をすれば、回答は人によりさまざまでしょう。

ですが映画史上最も悪意と風刺に満ち溢れた監督は誰か?と聞かれれば、それはもうポール・バーホーベンと答えるほかありません。

ディストピアSF特集と称して続けてきた連続レビューの最後に、ポール・バーホーベンを取りあげたいと思います。

なぜならバーホーベンこそが、SFを風刺として語るのが世界一上手い男だからです。

ロボコップ」「スターシップ・トゥルーパーズ」も捨てがたいのですが、今回紹介するのはトータル・リコール(1990)」

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