Walking Pictures

映画、書籍、ゲーム、その他もろもろサブカルチャーについて…

劇場版SAOから考える「なぜSAOがここまで愛されたのか?」

ソードアートオンライン オーディナルスケール」を見てきました

※この記事には映画のネタバレが含まれています

SAO劇場版、見に行く予定は無かったのですが、知人に誘われたので鑑賞してきました。SAOシリーズは一応アニメは一通り見て原作も数冊読んだ程度で、正直そこまでの期待はしていませんでしたが、いざ見てみるとARの技術描写や設定の使い方が周到で、予想以上に良い映画体験となりました。

この記事では劇場版SAOを見て気づいた点についての考察、そして感想を語ります。

目次

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映画評を書く人に読ませたい小説とか、最近読んだ本とかの話

みなさん、こんにちは。

今日はいつもと趣向を変えて、映画以外のコンテンツをいくつか紹介したいと思います。

『花ざかりの森・憂国三島由紀夫

かの大作家三島由紀夫の短編集です。

三島の作品が素晴らしいのは僕が言うまでもないのですが、この中の女方(おんながた)』という一篇が映画評を書く身として非常に惹かれました。

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「ラ・ラ・ランド」ラストシーンについての解釈を語る

夢を叶えるのに必要な代償とは?

アカデミー賞作品賞は、ほぼ間違いなしかと評判の「ラ・ラ・ランド」。

公開初日の朝から見てまいりました。ひとことで感想を述べるなら、大満足としか言えません。オープニングからエンドロールまでとにかくカラフルで、ロマンチックで、そして同時に現実的なテーマもあり、とにかく至れり尽くせりな2時間でした。

今作は国内での注目度も高く、作品の概要については雑誌や他サイトなどで相当語られているため、この記事では概要を書くのはほどほどにとどめておいてラストシーンに焦点をあてて書いています。なのでネタバレを避けたいかたはどうぞブラウザバックして映画を見に行ってください。

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「ラ・ラ・ランド」前に絶対見ておきたい「セッション(Whiplash)」

「次のチャーリー・パーカーは何があっても挫折しない」

アカデミー賞ノミネート史上最多タイの「ラ・ラ・ランド」がいよいよ明日から日本でも公開されます。

若手監督のデイミアン・チャゼルは(自主製作を除けば)「ラ・ラ・ランド」以前には一本しか映画を撮っていません。その映画こそ若き巨匠デイミアン・チャゼルの実力を世界に知らしめた名作「セッション」です。

この記事では、原題「Whiplash」の意味、主人公と鬼教官のキャラクターについて、そしてラストシーンの解釈について述べようと思います。

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映画に学ぶモテ術、その1「折れない心」

世に流通している映画のほとんどは恋愛を扱っています。おそらく古今東西の映画を「恋愛あり」と「なし」に分類したら「あり」の方が多いのではないでしょうか。

映画をたくさん見る、ということは「ラブストーリーをたくさん見る」こととほぼ同義と言ってもいいかもしれません。事実僕もこれまで数多のロマンスを映画を通じて目にしてきました、それはもう現実で自分が経験したロマンスの何百倍も多く。

数多くの恋愛映画を見続けていると、いくつかの共通点が見つかります。映画というのは現実世界の写し鏡ですから、恋愛映画に潜んだ共通点について研究すればリアルの恋愛について何か有意な情報やメソッドが得られるかもしれません。

というわけで、映画に学ぶモテ術と大げさに名づけたこの記事では、映画の中の恋愛を参考に恋愛の方法論、心構えを考えてみたいと思います。

第一回のテーマは折れない心です

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1978年のライアン・ゴズリング『ナイスガイズ!』感想

弾丸とFワード飛び交うサスペンスコメディ

三、四十年前の娯楽映画は、今見るとかなりチープではありますが、独特のノリとポップさが名状しがたい空気感を形成していて、昨今の大作映画にはない良さがあります。

ライアン・ゴズリングラッセル・クロウ主演の『ナイスガイズ!』もそんな、70年代臭をぷんぷんさせた良作映画です。

あらすじ

私立探偵のマーチはひょんなことから示談屋のヒーリーが抱えていた事件に巻き込まれ、失踪した少女を探すことになる。ただの人探しだったはずの依頼は殺人事件へと発展し、やがて事件の裏に潜む陰謀の存在も明らかになる……

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安定と愛を天秤にかけたら『きみに読む物語』

人生を変える選択と、その葛藤

※ネタバレあり

ライアン・ゴズリング特集の第4弾は『きみに読む物語』。今作は彼の名が売れるきっかけとなった映画で、認知症の妻を愛し続ける夫の愛が描かれています

ですがこの記事ではあえて認知症絡みの本筋は置いておいて、読み聞かせされる物語の内容(主人公夫婦の過去の話)に注目してみようと思います。なのであらすじもあえて、本の中の部分を書きます。

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