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【映画エッセイ】北朝鮮とピアース・ブロスナンと兵士の顔のはなし

このブログでは日々新作映画のレビューや見どころ紹介をしているわけだけど、最近はアクセス数も打ち止め気味で、正直なところ少し飽きてきた。

 

そこで今日からは映画ブログという路線は維持しつつも、これまでとは趣向の違う記事、というよりもエッセイやコラムに近い文章を書いてみようと思う(エラソーな文章でごめんなさい)。

 

記念すべき第一回は何の映画について書こうかとニュースを見ていたところ、「そうだ、北朝鮮の映画だ」と天啓が下りてきた。

 

てなわけで、今回紹介(?)する作品は「007 ダイ・アナザー・デイ

ダイ・アナザー・デイ (字幕版)

 007シリーズ40周年にしてシリーズ20作目のダブルアニバーサリーというドエラくめでたい本作だが、内容は『彼岸島』や『テニスの王子様』にも引けを取らないトンデモ映画。

 

だいたい冒頭のボンドがサーフィンで北朝鮮に忍び込むシーンからして笑いを取りに来てるとしか思えない。海から侵入するにしてももっとスマートなやり方があるだろう、サーフィンて。波の調子が悪かったらどうするつもりだったんだ。

 

サーフィンで密入国とか、顔にダイヤモンドがめり込んだ悪役とか、14ヵ月間の拷問に耐えたわりとケロっとしてるボンドとか、そんな違和感だらけの「ダイ・アナザー・デイ」だけど、今挙げた違和感はおそらく「意図された違和感」だ。007シリーズお決まりの現実離れした演出、アホカッコいいとでも言うべき演出は狙ってやっているに違いない。

 

でもこの映画には意図されていない違和感もある。ずばりその違和感の正体は「北朝鮮兵の顔」だ。

 

いくら北朝鮮を舞台にするからといって、さすがの007シリーズも本物の北朝鮮人を使うわけにはいかなかったらしく「ダイ・アナザー・デイ」に登場する北朝鮮人は韓国・中国人のミックスで構成されている。

 

でも北朝鮮の制服を着たからって韓国人は韓国人にしか見えない。北朝鮮特有の野暮ったさみたいなものがまるっきり感じられないのだ。この映画に出てくる北朝鮮兵はエキストラ一人とっても兵士らしくキマっている。

 

「兵士らしくキマってるならいいじゃない」?、そりゃその通りですけど、現実の北朝鮮兵の最大の特徴ってまるで兵隊のコスプレをしているかのようなキマってなさじゃないですか。

 

いやいや、フィクションなのはわかってますよ。リアリティを追求したら絵にならなくなるのは承知ですし、文句がつけたいわけじゃない。でも見たいじゃないですか、ホンモノの北朝鮮兵がうじゃうじゃ出てくる映画。

 

同じアジア人でも国が違えば顔も体格も違ってくるのは当たり前。第二次大戦もので日本兵の役を韓国・中国人が演じたんじゃ、しっくりこないに決まってる。

 

まあ僕はよく中国人と間違われるんだけど…。