【解説】ノーランの「ダンケルク」は予習すれば100倍楽しめる!【感想】
どうも、もゆるです。
先日別れ話をされた女性から「もう友達にも戻れない」と宣言されて、絶賛「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を見た後みたいな気分になってます。
しかしながら、傷ついたハートを抱えて公開初日の「ダンケルク」を鑑賞してまいりましたので、早速解説させてもらいます!(空元気!)。
目次
あらすじ
1940年、ナチスドイツの進撃は既にフランスまで及んでおり、イギリス軍フランス軍は共にフランス北部の都市ダンケルクまで追い詰められていた。
撤退を余儀なくされたイギリスは民間の船を使用し、ダンケルクに駐在する兵士を救出する「ダイナモ作戦」を展開するが、救出を待つ兵士らの頭上には既にドイツ軍の戦闘機が迫っていた……。
3つの時系列が入り乱れる
「ノーランの映画は難解」の法則
やってくれました「ダンケルク」。
「インセプション」に「インターステラ―」、「メメント」と予備知識なしでは何が何やらな映画ばかり撮ることで有名なクリストファー・ノーランがついに実話に挑戦! とのことで、「まあいくらノーランでも、実話ならわかりにくくはならないでしょ」と肩の力を抜いて劇場に足を運んだのですが……。
「やっぱりよくわからない!」
ダンケルクからドーバー海峡を渡ってイギリスに撤退する話なのは勿論わかりますよ。それで撤退するイギリス軍の視点と、救出しにくる民間人の視点と、救出作戦の援護にあたる英国空軍の視点が平行して語られるのも理解できます。
でもどうしても一時間くらい経ったあたりから画面上で起きていることが飲み込めなくなってきてしまう。
映像も強烈で、音も味があって、めちゃくちゃ面白いんだけれど……状況がイマイチはっきりしない。
もやもやした頭で映画館を出たぼくはすぐに家に帰ってパソコンを開きました。
「ダンケルク」 検索
編集で生み出された時間的なウソ
「ダンケルク」は撤退する兵士、救出に向かう民間人、護衛する空軍の3つの視点が同時進行で語られる映画だと書きましたが、(天下のグーグル先生によると)この3つの視点は映画では同時進行で語られているけれども、実際は時間的にかなりのズレがあるんですね。
「ダンケルク」で登場人物たちのとる行動を編集された状態から未編集の状態に戻すとこうなります。
英・仏軍、ダンケルクから撤退開始→6日後、ダイナモ作戦が展開されイギリスから民間船が救助に向かう→さらに23時間後、イギリス空軍が救助船の援護のため出撃
はい、実は現実の時系列では同時進行じゃなかったんですね。3つの勢力が同時進行で動いてるのは一週間の間最後の1時間だけだった、と。
クリストファー・ノーランはなんとかしてこの流れを映画的に面白く見せるために、あたかも3つの視点が同時進行で動いているように見える編集をしたのでしょう。さすが事件の終わりから事件の始まりに向かって進んでいく映画を撮った監督です。
一応字幕で「1hour」とか「1week」とか出てましたけど、あれで時系列がいじられてるって気づける人いるんですかね……。
「ダンケルク」、IMAXで見るか MX4Dで見るか
IMAX大好きおじさんクリストファー・ノーラン
これは「ダンケルク」について書かれたページなら猫も杓子も言ってる話ですが、IMAX大好きなノーランは今回もIMAXカメラ&フィルムで「ダンケルク」を撮影しているので、鑑賞はIMAX推奨です。とにかく映像(音もですが)にこだわって撮られた映画で、開幕1ショット目から腰が抜けそうなほどド迫力なので、迷ったらIMAX!
MX4D(4DX)も相性良さげ
これは経験則なのですが、MX4Dは「乗り物に乗る」映画ととにかく相性が良いんです。「マッドマックス 怒りのデスロード」然り、「マッドマックス 怒りのデスロード <ブラック&クローム>エディション」然り。
そして「ダンケルク」は多くのシーンが、登場人物が船か飛行機に乗っているシーン。しかも手堅い歴史もの映画に見せかけて上映時間短めの「最初からアクション全開」な映画なので、MX4Dで見ればエキサイティングなのは間違いなし!
既にIMAXで鑑賞済みの方も、一回見ただけでは内容が理解できなかった方も、ぜひMX4Dをお試しあれ。
すごいよクリストファー・ノーラン
またしてもノーランにしてやられたと言いましょうか、この人いつもいつも頭使わないと理解できない映画ばっかりじゃないですか。
なんでも「ダンケルク」は既に世界興行収入が3億ドル越えらしいですが、アメリカ人はこの内容一発で読み取れるんでしょうかね。それとも読み取れなかったぼくがバカなだけなんですかね。
高価なIMAXカメラ使って、CGは極力使わない宣言して本物の戦闘機や船用意して、「バカには伝わらなくていい」的な映画を取れるノーランの肝の据わり方、見習いたいものです。
さてまだまだ書き足りないのですが、「ダンケルク」についてはもう一回見に行って色々調べたうえでもう一本記事を書こうと思っているので、今日はこの辺にしておきます。以上もゆるでした。
#アウトレイジ に向けた北野武監督の全作品紹介。今日は「ソネチネ」。
— もゆる@映画ブログ (@moyuru2580) 2017年9月8日
【北野武】全作品解説「ソナチネ」【感想と考察】 - Walking Pictureshttps://t.co/ipEdeCPNsN pic.twitter.com/tkZjEHtzZ4
ps.映画館でCM中に女の子のこと思い出して落ち込んでるヤツがいたら多分ぼくなので慰めてやってください。