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「うどんが主食」炎上問題をきっかけに観てほしい「SNS+グルメ映画」

先日、グルメレビュー投稿サイト「食べログ」の人気レビュアー「うどんが主食」さんが、食べログにて高評価をつける見返りとして店側から接待を受けていたという疑惑が週刊文春によって発表されました。

コラボ商品が発売されるほどの人気グルメレビュアーのスキャンダルに、食べログ側は2000件以上あったうどん氏の投稿をほぼ全件削除。本人は食べログプロフィールでこう述べています。

私はこれまで飲食店を評価する時、いくら親しい友人の店であっても正直に評価をしてきました。
今回、週刊文春の記事において書かれたことで多くの読者の方々に誤解を与えてしまい、
また友人のお店に多大なる迷惑をかけてしまいました。
今後、たとえ美味しくても友人のお店は誤解を招く恐れがあるので一切レビューしないことにします。

https://tabelog.com/rvwr/alwaysudon/prof/

規模こそ違えど同じレビュアーとして複雑な気分になっていましたが、同時にグルメブロガーが登場する映画の存在を思い出しました。

単にグルメブロガーが出てくるだけでなく、インターネットの怖さについて描いた映画でもあるのので、この機会にその映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を紹介してみます。

 

目次

あらすじ

ジョン・ファヴロー監督の映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」では、一流レストランのコック長をクビにされた主人公(ジョン・ファヴロー)がフードトラックでキューバサンドを売り始めるというストーリーなのですが、主人公がクビにされる理由が「店に来た有名なフードブロガーとケンカしたせいで炎上しちゃった」からなんですね。

主人公カールがいつも通り調理場で料理に勤しんでいると、調理場にオーナーがやってきて「ちょっとキミ今日有名ブロガーがウチにくるらしいから」と釘を刺す。

なんでもその有名ブロガーは前に書いていたブログが1000万ドルで売れたとかなんとか。さすがアメリカ、プロブロガーもアメリカンサイズです。

さてやってきたグルメブロガーに定番の人気メニューを提供したカール……ですが、アップされたレビューはとても高評価とは言い難いものでした。(接待しなかったからかな……)

低評価が気にくわないカール、彼は怒りに任せてグルメブロガーのtwitterに突撃(機械音痴なので息子に使い方を教えてもらう)、実名のtwitterで暴言を吐きまくり、翌日には大炎上の状態となってしまいます。

強調されるインターネットの力

「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」では、ブログやtwittervineなどのwebサービスがシナリオ上で重要な役割を担っています。この映画のタイトルはいかにも料理がテーマのように思えますし、実際その通りです。しかし同時にこの映画には裏テーマがあり、それは「インターネットの恐ろしさと便利さ」なのです。

カールはtwitter炎上やグルメブログでの低評価によって仕事を追われますが、映画後半ではSNSの力に助けられもします。家庭も仕事もボロボロになったところからカールを再生に導いてくれるのが、奇しくも一度彼を破滅させたSNSなんですね。

今でこそ会社や飲食店がSNSやブログで情報発信を行うのは当たり前になりましたが、「SNSを用いたマーケティング」を題材にした映画はかなり珍しい……いや他にあるんでしょうか? 少なくとも私は知りません。

料理を作ることの官能性

この映画、カールが料理するシーンに尺をとって、やたらと手の込んだ映像で調理シーンを見せるのが特徴です。キレのいい手さばきでどんどん料理が作られていく様子を眺めるのは見ていて気持ちがいい反面、甚だしい飯テロでもあります。

調理シーンの中でも面白いのがカールが同僚のソムリエ(スカーレット・ヨハンソン)にパスタを振る舞うシーン。何が面白いって夜2人でマリファナふかしながらいい雰囲気になって、このままベッドシーンかなと思ったらカールは突然「料理作らせてよ」と一言、スカヨハも「いいわ行きましょ」なんて言いだします。ベッドじゃなくてキッチンに行くんですね。

 そして肝心の調理シーンはなぜか数カットに一回スカヨハがベッドの上でセクシーなポーズをとっているカットが挟まります。完全にスカヨハの無駄遣いです。段々スカヨハがエロいのか料理してる手つきがエロいのかわからなくなってきます。

つまりこれって、カールにとって自分の作った料理を誰かに食べさせることはセックスにも劣らぬほどのコミニケーションだという意味なんでしょうか。

英語圏では飯テロを「フードポルノ」なんて言うようですが、食と性はコインの裏表のような概念なのかもしれません。

「ブロガー 五つ星うどん屋さん始めました」

さてうどんが主食さんの話題から始まった関係あるんだかないんだかわからない「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」の紹介でした。

それにしてもうどんが主食さんは、これからも食べログレビューを続けるんですかね。心機一転フードトラックでも買って、全国を巡る移動うどん屋さんでも始めるのもいいかもしれません。

ちなみにマルちゃんとのコラボで発売された「マルちゃん 縦型ビッグ うどんが主食 讃岐風うどん」は発売日が6/5らしく、このタイミングで(文春の記事は6/7アップ)スキャンダルを発表した文春の陰謀を感じずにはいられません。

最後に余談も余談ですがこのうどん、近所のコンビニで200円で大量に積んであって「色々大変そうだな」と思う私(@moyuru2580)でした。誰が200円のうどん買うんじゃ!

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