【レゴバットマン ザ・ムービー】その面白さ、「ダークナイト」越え? ネタバレなし感想&レビュー
“ブラックだ
カッコいい映画はいつもブラックから始まるもんだ”
本物のレゴでのコマ撮りに限りなく近いCG映像で一斉を風靡した「LEGO ムービー」から3年、今回のレゴ映画で主役を張るのはアメコミ実写化ヒーローの先駆け、バットマン。
当記事では、単なるパロディムービーに終わらない「レゴバットマン ザ・ムービー」の魅力をあますところなく紹介します!
目次
あらすじ
犯罪者の跋扈する街ゴッサムシティ。
手下を引き連れ悪事を繰り返すジョーカーを、バットマンは今日もまた撃退する。
市民にからの歓声、迫るマスコミのマイクとカメラ、この街でバットマンは紛れもないスターだった。
そんなバットマンの正体は、プライドの高い孤独な男。
DCヒーローのパーティにも一人だけ呼んでもらえない彼には、悪人退治だけが楽しみ。しかし、ある日ジョーカーたちヴィランが一斉に自首を始め、バットマンは唯一の楽しみさえも奪われてしまう。
どうするバットマン。そして、果たしてジョーカーは何を企んでいるのか……。
レゴ映画としてのクオリティは前作譲り
レゴのキャラクター(ミニフィグ)をCGで再現したレゴアニメは、過去それなりの本数が作られてきたわけですが、レゴアニメに革命を起こしたのが2014年の「LEGO ムービー」でした。
「LEGO ムービー」が革新的だった最大の理由は、キャラクターだけでなく建物や背景のほぼ全てをレゴのパーツで表現したこと。レゴブロックで構成された海が波打っているシーンなど、とにかく圧巻です。
そして今回の「レゴバットマン ザ・ムービー」もまた、限界までレゴブロックの味を生かした画面作りを行っています。
バットマン映画といえばバットモービルや、バットポッドなど、個性的なメカが登場するのが見どころのひとつになっていますが、本作もそれは同様。見たら欲しくなるレゴ製バット〇〇が出し惜しみなしで次々に出てきます。
レゴガジェットの中でも特に目立ってカッコいいのが、コウモリ型ロボ「スカットラー」。ちゃんと商品化されてるのがニクいです。
バットマンはもちろん、様々な映画のパロディがたっぷり
アイアンマンのバーカ!
「LEGO ムービー」は、ダンブルドアとガンダルフのミニフィグが似ていて見分けがつかない、のようなパロディネタがふんだんに挿入されていました。
レゴという物体が、何らかの元ネタを模倣して作られている以上、レゴ映画がパロディムービーとなるのは当然とも言えます。
「レゴバットマン」ではジョーカーやベイン、ペンギン、といった過去のバットマン映画に出演した有名ヴィラン(悪役)から、マイナーなものまでが勢ぞろいするわけですが、なんと本作の悪役はバットマンのヴィランだけではありません。
最近新作が公開されたばかりの「キングコング」、
レゴではお馴染みの「ロード・オブ・ザ・リング」に「ハリーポッター」、
また「ドクター・フー」、「ジュラシック・パーク」などから“極悪”な奴らがゲスト出演!
「パロディの元ネタを知らないと楽しめないんじゃない?」と、懸念される方もいるかもしれませんが、その心配は無用。
本作はとにかく畳みかけるようにギャグを連発してきますし、あくまでパロディは連発されるギャグの一部分に過ぎません。なので元ネタなんて知らなくても問題なく腹を抱えて笑えます
バットマンを批評するバットマン映画
「レゴバットマン ザ・ムービー」のバットマンは、過去のバットマン映画での彼と同じく孤独な男です(私はアメコミは詳しくないので原作での彼を知りません)。「ダークナイト」と同じく、法外な自警活動を責められもします。
本作のバットマンは自らの失敗によってある危機に陥りますが、その危機から抜け出すためにバットマンに求められるのは「他人と協力すること」。
仲間?家族?協調? バットマンの辞書にそんな言葉はありません。
これらの概念はティム・バートン版やノーラン版でもほとんど描かれていませんでした。本作はそんな「誰からも理解されず孤独に戦う」従来の実写版バットマン像を覆そうとする物語です。
この映画は「ダークナイト」を、「バットマンVSスーパーマン」を批評しているも同然です。
私には「レゴバットマン ザ・ムービー」は、過去のバットマン映画にこう語りかけてるように思えました。
「Why so serious?(どうしてそう真面目なんだ?)」
まとめ
「LEGO ムービー」にはわかりやすく“泣ける”シーンがあり、私は年甲斐もなく号泣してしまったのですが、本作には前作のような明確な“泣かせ”はありません。
でも私は泣きました。
クライマックス、目から鱗なアイデアによってこの映画は名実ともに「ひとつ」になります。バットマン映画としても、レゴ映画としても、エンタメ映画としても一級品である本作のあまりの完成度に、私はガラッガラの映画館で(!)ひとり泣いたのです。
こんな名作を見ないなんてとんでもありません! いますぐ劇場へ走りましょう!
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