読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

“ほぼ”デイリーシネマ

レビューなのか批評なのか、はたまたただの駄文なのか。はてブ、読者登録、twitterフォローなどされると泣いて喜びます。

【虚淵ゴジラ】なぜ劇場版アニメはやたらと3部作にしたがるのか?

先日、虚淵玄がストーリー原案・脚本を手掛ける劇場アニメ版「GODZILLA」が3部作として制作されるとが発表されました。

それを見て思ったのですが、最近の劇場アニメ、3部作多すぎません?

GODZILLA

魔法使いの嫁

傷物語

交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」

Fate/stay night[Heaven’s Feel]」

他にもTVで放送予定のアニメを劇場で先行上映するという形式のものもあるため、3部作のアニメ映画はまだまだ存在します。

ひとつの物語を前編・中編・後編のように分けて制作する手法は、実写映画でもないことはありませんが、あまり見かけられません(漫画原作の実写映画は分けても前後編)。

流行するアニメ映画の3部作化には何か理由があるに違いありません。この記事では私の独断と偏見で、その理由について考察してみたいと思います。

傷物語 I 鉄血篇(通常版) [DVD]

目次

 

TVアニメと映画のストーリーテリングの差

商用映画というフォーマットには、ひとつの物語を2時間程度で語らなければならないという制約があります。

それに対してTVアニメは、ひとまとまりの物語を20分×12話、または20分×24話で語るのが普通です。1クールなら約240分(4時間)、2クールなら倍の約480分(8時間)がストーリーテリングのために与えられる時間となります。

つまり映画はTVアニメの半分以下の尺でストーリーを語らなければならないのです。もちろん2時間というのは映画的には、ドラマを作るのに十分な尺ではあります(それは映画の歴史が証明していますね)。

しかし、劇場アニメといえども制作するのはTVアニメに関わってきたスタッフが大半でしょう。調べたところ、導入で3部作の例として出した作品の脚本家はほぼ全員がTVアニメ畑の方でした。

私自身は脚本家でも何でもありませんが、全体の尺が違う以上TVアニメのストーリーテリングと映画のストーリーテリング、これらに差異があるのは想像できます。

その点劇場アニメを3部作としてしまえば、物語を語るための全体の尺は飛躍的に長くなります。1時間30分程度の作品を3本作れば、ほぼTVアニメ1クール分と同じ分量になりますから、脚本制作もやりやすくなるはずです。

劇場アニメというTVアニメに比べ物語全体の尺が短い作品を作るにあたって、「尺の差問題」を緩和し、脚本作りを易しくするのが3部作という方式なのではないでしょうか。

 

作品のブームを持続させる

アニメの流行は「生もの」です。

「1年前は大流行していてtwitter2chもそのアニメの話題で大盛り上がりだったのに、今では名前も聞かない」というような事例は現代では珍しい話ではありません。

現在巷に「すごーい」や「~~フレンズ」というワードを氾濫させている「けものフレンズ」も、放送が終わって2期などの後に続くコンテンツが作られなければすぐに忘れ去られるでしょう(実際はたぶん2期を作るんでしょうが)。

現行で放送・制作されていないアニメはすぐに大量の新作に埋もれ、人々の記憶の片隅に追いやられてしまうのです。

そこで3部作の出番です。TVアニメ放送終了後、一年に一作ペースで劇場版を公開すれば、作品の寿命は大幅に伸びることが予想されます。

劇場版を作り続け、延命に延命を重ねているアニメの代表格が、かの庵野秀明の大出世作「新世紀ヱヴァンゲリヲン」です。

マジで「シン・エヴァ」いつになるんでしょうね。

シン・ゴジラ Blu-ray2枚組

シン・ゴジラ Blu-ray2枚組

 

一作完結に比べ、一作あたりの製作期間が短い

またTVシリーズに続く劇場版アニメを一作だけで完結させる場合、3部作に比べれば尺が長くなるはずですから、製作期間が長くなってしまいます。

TVアニメの放送終了から劇場版公開までの時間差を縮められるのも3部作のメリットのひとつと言えます。

 

狭く太い顧客モデル

3部作アニメ映画のリストを見ると、そのほぼ全てにTVアニメ版なり原作なりがあるというのがわかります。

3部作アニメ映画には、タイトル(原作と言ってもいい)についたファンが存在するのです。プロデューサーからしてみれば、このアドバンテージを逃す術はありません。根強いタイトルのファンは、公開された3部作全てを見てくれる可能性が高いはずですから。

君の名は。」のような劇場オリジナル作品が、広く細い顧客モデル(客単価が低い)を想定しているとすれば、3部作アニメ映画の顧客モデルは狭く太い(客単価が高い)んですね。

 

まとめ

エビデンスもクソもない考察でしたが、意外と良い線いってたりしないでしょうか。

3部作方式がアニメファンにとっても制作側にとっても嬉しいwinwinメソッドなのか、それとも単なる水増しのための悪しき手法なのかはまだ判然としません。なんにせよこの流行の行方について、もう少し観測してみるほかないでしょう。

明日は「虚淵ゴジラのストーリーを勝手に予想する」みたいな記事を上げようと思うので、興味のある方はtwitterフォローや読者登録などよろしくお願いします!