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「キングコング 髑髏島の巨神」はココを見ろ!レビュー&感想

いよいよ公開された「キングコング 髑髏島の巨神」。字幕2Dで鑑賞してきましたので、ネタバレなしのレビュー・感想記事を投稿します!

目次

キングコング 髑髏島の巨神 (竹書房文庫)

あらすじ

1973年、ニクソン大統領がベトナム戦争終結を宣言したその日、衛星写真によって太平洋の果てにある未開の地「髑髏島」の存在が明らかになった。

秘密組織モナークの研究者ランダは島に潜む「何か」を調査するため、ベトナム帰りの軍人たちと腕利きの傭兵を引き連れ、嵐の中に佇む絶海の孤島へと侵入する。

早速髑髏島に上陸し調査を始めた一同。しかし、彼らを待ち受けていたのは島の守り神コングによる手荒い歓迎だった……。

コングが……コングが立った!

ピーター・ジャクソン版の「キング・コング(2005)」ではナックルウォーク(四足歩行)でいかにもゴリラ然としていたコングですが、本作では初代「キングコング(1933)」と同じ二足歩行を披露。

ウルトラマン然り、ゴジラ然り、デカい奴は立ってたほうがカッコいいんです。ポスターにもなっている夕日をバックに立つコングのシルエットは雄々しさの極み。四足歩行ではこの存在感は出せなかったに違いありません。

それにしても今回のコングは二足歩行のおかげで脳が発達したからなのか、かなり知性的。島に危険をもたらす者には容赦なく制裁を加えるが、危険のない相手はむしろ保護してくれます。同じ人間でもちゃんと善人、悪人を判断できるなんて、インテリゴリラですよ。人間の女性に発情してひん剥いたりもせず、そっと助けてあげるだけ。ヒーローの鑑ですね。

髑髏島のモンスターより個性的な登場人物

髑髏頭のトカゲやら、デカいタコやら、デカい蜘蛛やらと本作にはコング以外にも多数のモンスターが出てくるわけですが、本作には下手をすれば多種多様な髑髏島の怪物たちよりも尖ったキャラクターが登場します。

SASの傭兵コンラッド(トム・ヒルスドン)は、さすが次期007候補が演じただけあり冷静さとワイルドさを兼ね備えた頼れるリーダー格になっています。線の細い色男はコングと良いコントラストになっていました。

続いてベトナム帰りの「コング絶対殺すマン」パッカード大佐、演じるのはこの映画のもう一人のコングであるサミュエル・L・「マザファッカー」・ジャクソンです。サミュエルにしかできない役というか、サミュエル本人の個性が強すぎて役柄が負けてます。

そして中盤から現れ、ドラマパートの良いところを全部かっさらっていくのがジョン・C・ライリー扮するハンク・マーロウ。マーロウは第二次世界大戦時に髑髏島に墜落してきたパイロットで、「地獄の黙示録」のカーツのような先住民を率いる狂人かと思いきや、ただのいいやつです。

宣伝ではほとんどお目にかからなかったキャラですが、トム・ヒルスドン、サミュエル・L・ジャクソンに勝るとも劣らない大活躍。

他にもめちゃめちゃ美人なのに全く出番のないアジア系の学者(ジン・ティエン)や、キングコングお馴染みパツキン美女枠のブリー・ラーソンなど、とにかくみんないいキャラしてます(ジン・ティエンは4/14公開のレジェンダリーの別作品「グレートウォール」に期待!)。


コングvsスカル・クローラー/映画『キングコング:髑髏島の巨神』本編映像

マザファッキンな字幕を見ろ!

サミュエル・L・ジャクソンといえば、親の仇ように連呼する「Mother Fuc●●!」なわけで、本作でももちろん「Mother Fuc●●!」と口にするのですが、なんと「髑髏島の巨神」では字幕にもそのまま「マザー・ファ●●!」と表示されます。

通常なら翻訳の際に消えてしまうFワードをあえて残すこだわりに拍手を送りたい!ちなみにこれは字幕を観衆された町山さんのおかげらしく、さすがは町山さんと言うしかありません。

怪獣映画に必要なものとは?

私見ですが、怪獣映画において最重要なのはパワーバランスです。

あまりにもモンスターが強すぎて主人公ら人間に介入の余地のない時、主人公は単なる傍観者となり怪獣映画は著しく気の抜けた作品になります。ギャレスゴジラはその気がありました。

ただし逆に、人間側のテクノロジー(核やミサイル)によってモンスターがいとも簡単にやられてしまったのでは、興ざめなんてものではありません。ミサイルでやられるどっかのイグアナみたいなやつは論外です。

その意味では物理的攻撃はほぼ効かず、凍結させて活動停止させるのが精一杯という落とし所を見つけた「シン・ゴジラ」が、如何に怪獣映画としてウェルメイドだったことか。

そして今回のキングコングに登場するモンスターも、武器で攻撃すれば多少傷つくが致命打には程遠く一匹だけならまだしも複数はとても相手にできない、という絶妙なパワーバランスに調節されています。

怪獣映画はいわばプロレスなわけで、本作はプロレスとして終始緊張感を持続させることに成功していました。

まとめ

二時間があっという間に過ぎ去るジェットコースター怪獣プロレスマザファッカー映画「キングコング 髑髏島の巨神」、デカいモンスターはデカいスクリーンで見なければ意味がありません! 二足歩行のコングの迫力を、ぜひ劇場で体感してください(あとヘリでのアクションシーンが4DXだと面白いかも)。

マーベル映画よろしく、エンドロール後におまけ映像があるのでエンドロールが流れても席を立たないようお願いします(結構出てく人が多かった)。

しかしなんたら「バース」はおまけ映像をED後に流さないといけない法律でもあるんですかねぇ。

キングコング:髑髏島の巨神 メイキングブック

キングコング:髑髏島の巨神 メイキングブック

 

 

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