Walking Pictures

「映画をもっと面白く」をスローガンに古今東西の映画について語ります

1978年のライアン・ゴズリング『ナイスガイズ!』感想

弾丸とFワード飛び交うサスペンスコメディ

三、四十年前の娯楽映画は、今見るとかなりチープではありますが、独特のノリとポップさが名状しがたい空気感を形成していて、昨今の大作映画にはない良さがあります。

ライアン・ゴズリングラッセル・クロウ主演の『ナイスガイズ!』もそんな、70年代臭をぷんぷんさせた良作映画です。

あらすじ

私立探偵のマーチはひょんなことから示談屋のヒーリーが抱えていた事件に巻き込まれ、失踪した少女を探すことになる。ただの人探しだったはずの依頼は殺人事件へと発展し、やがて事件の裏に潜む陰謀の存在も明らかになる……

映画全体から漂う70年代臭

今作は70年代の映画を強く意識して作られており、映画中の至る所に懐かしき70年代エッセンスを感じ取れます。ファッション、車、音楽、果ては街中の看板まで当時のまま再現されているこだわりは、圧巻としか表現できません(1978年公開の『JAWS2』の広告も出てきましたね)。

登場人物も良い意味で既視感たっぷりで、ハードボイルド探偵小説からそのまま抜け出してきたようなヒーリーに、スパイ映画にありがちな雇われ殺し屋感MAXのジョン・ボーイなど、どいつもこいつも「昔見たあの映画」を連想させてくれます

70年代を知らなくても楽しめる

この映画はあまりにもレトロな雰囲気を醸し出しているので、若い人が食わず嫌いを起こしているのではないかという危惧さえあります。僕が観た回ではなんと観客の大半が年配の男性客で、なかなかに珍しい光景となっていました(平日の昼間に見に行ったのも関係していると思いますが)。

しかしながら断言させてもらうと、『ナイスガイズ!』はティーンエイジャーが見たって面白い映画です。今作の大きな魅力である荒唐無稽なギャグシーンは、70年代の文化的素養がないと笑えない、というようなものではなく万人にウケるタイプのギャグですから安心してください。

今作のライアン・ゴズリングは「金に汚い飲んだくれの無能探偵」という役柄なだけあり、普段はあまりやらないおどけた演技を存分に披露します。彼が甲高く「ホアァーッ!」と叫ぶたび劇場内では笑いが起きていました(その他小刻みに揺れたり、目を泳がせたりする細かい演技も最高です)。

バディものとしても一級品

ライアン・ゴズリング演じるマークと、ラッセル・クロウ扮するヒーリーの凸凹コンビが良い味を出しているのは言わずもがなですが、ダメダメ私立探偵のマークにはもう一人の頼れる相棒がいます。

それがマークの娘、ホリーです。父子家庭で父親がダメ人間だった影響かホリーはなかなかに気丈な女の子で、危険な場所にも何かとついてきて父親のマークより活躍します。あまりの活躍ぶりは『キック・アス』のヒットガールを連想させるほどで、ホリーを演じるアンガーリー・ライスの今後の活躍が楽しみですね(既に次のスパイダーマンにキャスティングされています)。

ナイスガイズ!

明後日、24日にはようやく『ラ・ラ・ランド』の公開ですが、いつもと少し違うライアン・ゴズリングの演技を見たい方はぜひ『ナイスガイズ!』も鑑賞されてはどうでしょうか。